私たちが作りたかったのは、まさに学校です。
いつからでも、どこからでも健康を学べ、近くに行って話しかけてクラスメイトと友達になったり、わからないことは先生に直接話しかけてみたり、その場にいるような感覚で学び直すことができるのです。
学校とはいっても、ここには入学金などございません。
誰でも手軽に学び始めてほしいから、月額1,480円(税込)に設定しました。
しかも、辞めたい時にいつでも辞められるので安心です。
『人はなぜ病気になるのだろう?』
そんなことを高校生の頃から考えていました。
特に興味があったのは、『がん』。
日本人の死因の1位でもある”がん”をもし無くすことができたならどれだけ多くの人が救われるのか?そんな単純な好奇心から生物学に興味がありました。
そんな時、iPS細胞の開発をされた山中伸弥先生の講演会を聴き、その可能性の大きさに感動しこの道に進もうと決意しました。そして、大学で植物の遺伝学について学んだのち、山中伸弥先生がiPS細胞の基礎研究をされていた奈良先端科学技術大学院大学に進学しました。
そこで、”がん”についての勉強と研究を行っていくと現実が浮かび上がってきました。
1つ目が、”がんのメカニズムを知るのは生命の神秘を知ることに近しい” ということ。
それほど”がん”のメカニズムは複雑で難しいということを痛感しました。
2つ目が、”抗がん剤は依然として生還率が低い” ということ。
もちろん時代とともに治るがんも増えてきてはいるものの、生還率は依然として低い。
そして、人によっては抗がん剤を服用することで免疫力が落ち、副作用によって亡くなってしまうひとが多いということです。
その現実を知った時に、重要なことは『そもそもがんにならないこと』『予防することこそが本当に意味でたくさんの人を救うこと』だということに気がつきました。
そして、私自身その重要性を強く感じる経験をしました。
2015年の5月、私の母は乳がんからの全身転移でこの世を去りました。
私はこの経験を忘れません。
勉強熱心だった母はまさに死にものぐるいで、がんや栄養学、免疫学や酵素学の勉強をしていました。様々な代替治療に挑戦し、お金も時間も費やしていました。
それでも、母の病状は徐々に進行し、最後にはあれほど拒んでいた抗がん剤をいよいよ投与することになりました。すると、母はみるみる衰弱し、最後には生きる希望を失い『早く死にたい』というようになりました。
家族としてはこれほど悔しいことはありません。私はただただ横で見守ることしかできず、無力感を痛感しました。
『健康になるチャンスがお金や運に左右されてはいけない』
『健康に関する本当の情報をみんな平等に得ることのできる社会を作りたい』
そんな想いを強く感じました。
そして、悔しい想いをする人を一人でも減らしていくことが母への叶わなかった親孝行になると信じています。
そこで、私はもう一度立ち返りました。
『人はなぜ病気になるのだろう?』
その答えは、目の前にありました。
毎日の小さな習慣の積み重ね、生活習慣です。
自分が病気になると感じながら生活している人はいません。誰もが病気だと診断されて初めて危機意識を持つものです。
日頃の自身の状態を気づいてもらえれば、きっと予防する意識が生まれるはずだ。
私は予防文化をここから発信していきます。